中澤きみ子の音楽活動を支えている大きな二本柱。
その一つはいうまでもなく、レコーディングを含む演奏活動です。
それに劣らず力を入れている音楽教育−Teaching。
ともに切りはなすことのできない、大事なものです。
この二つの柱を軸に、これからも音楽活動を精力的にすすめていきたいと考えています。
■〜正面からぶつかりあって、ともに悩み、ともに歩むレッスン〜 中澤きみ子
大学卒業直後から子どもたちにヴァイオリンを教えていましたので、私のなかでは教えることは
演奏活動とおなじぐらい重要な位置をしめています。レッスンのあり方としては、音譜だけではなく、
相手のたたずまいや息づかいを感じながら一対一で向き合っての授業なので、多くの方を教
えることはできません。
ひとりひとりを大切にし、ともに悩み、ともに歩むレッスンを行うなかで、それぞれがよく努力し、
プロとして活動するまでに成長した人もたくさんいて、教育する楽しみを感じています。しかし、必 ずしもプロになる方ばかりではありません。
レッスンといっても本気になって、正面からぶつかりあっていきますので、相手も本
気にならないとついてゆけないところがあります。でも、何ごとにも向き不向きがありますので、全
員がプロにならなくてもよいというのが私の考えです。
たとえば、音譜をきれいに正しく奏でることができても、音楽を彩ること、いわゆる幅のある演奏が、
どうしてもできないという人がいますが、そういう人には演奏家ではなく他の道に進むようアドヴァ
イスをします。しかし、たとえプロにならなくても、ここでのレッスンの成果は他の面にあらわれてき
ますから、ともに悩み、ともに歩んだ時間は決して無駄にはなりません。
こうしたレッスンのなかで、若い人たちの人生の岐路に立ち会うことができるのも、教 育者としての喜びです。
全身全霊でぶつかっていくというのが私のモットー通り、これからもヴァイオリン教育に力を注い でいきたいと思います。
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